インタビュー

【インタビュー 】CryptoGames株式会社 小澤孝太氏 『CryptoSpells』β公開を終えて

(左)CryptoGames株式会社代表取締役の小澤孝太 氏。日本初のブロックチェーン×トレーディングカードゲームの『CryptoSpells』の運営・開発している。サイバーエージェントにて、様々なゲームタイトルやゲームメディアに携わり、その後、CryptoGames株式会社創業。
『CryptoSpells』は、Webブラウザ上でPvsP対戦ができるデジタルトレーディングカードゲーム。ユーザーはオンライン上で、自由にカードの売買を行うことができる。
(右)株式会社entershareの黒田淳也 氏。『CryptoSpells』のサーバー側の開発のメインを任されている。京都大学卒業後、アクセンチュアに入社。その後、起業等の経験を経て、現職サーバーサイドエンジニアとして数多くのサービスの開発に携わる。

引きこもりゲーマーだった中高生時代

―まず、小澤さんの経歴から教えてください。

小澤氏: もともと中高生時代は、引きこもり系のゲーマーでした。(苦笑)学校が終わると走って家に帰り、朝までゲームをするという毎日です。
その後、慶応大学在学中に事業を起こして失敗をして、新卒でサイバーエージェントに入社しました。

黒田氏: 意外ですね、、、笑 今のキラキラした感じからは想像もできない!

―そんな中、CryptoGamesを創業しようと思ったのはなぜですか?

小澤氏: 中学生時代に10万円つぎ込んだゲームがサービス終了になってしまって、凄く寂しい悔しい想いをしました。
そういったバックボーンや新規事業領域、ゲームにも興味があり、いつかそういった非中央集権的なサービス(ゲーム)を作ってみたいという想いはありました。

黒田氏: その想いを実際に形にするきっかけは、なんだったんですか?

小澤氏: 2018年にクリプトキティというサービスで、オンライン上の猫が1000万円で売れるなど、この(ブロックチェーンや仮想通貨)業界が伸びていくという事は肌で感じていました。
また中高生時代に、ゲーマーだった僕は、親によく「ゲームなんて!」と怒られていたので、ゲーマーの社会的地位を向上させたいという想いは常々あったので、そんな世界を実現するなら今しかないと独立に至りました。

日本初のブロックチェーンTCGの『CryptoSpells』とは!?

―日本初のブロックチェーンTCGの『CryptoSpells』とは、どのようなサービスなのでしょうか!?

小澤氏: 簡単に言うと、ブラウザ上で遊ぶことができるデジタルトレーディングカードゲーム(TCG)ですね。

黒田氏: 凄い色んな事、端折りましたね(笑)

小澤氏: そうですね(笑)
ただ、勿論それだけだと日本初とはなりません。このデジタルTCGに加えて、オンライン上でユーザーが自由にカードを売買する事が出来ます。その情報をブロックチェーンに乗せて管理するというイメージです。
このブロックチェーンとTCGの掛け算は、まだ日本では前例がなく『日本初』になっているわけです。

―具体的にブロックチェーンの部分についてお話を聞きたいです。

黒田氏: 現状で決まっているのは、『誰が』『どのカードを』保持してるのかという情報をブロックチェーン上に乗せるという事に留まります。全てのデータ、例えばバトル履歴などを全てオンチェーン(ブロックチェーン上に情報を乗せる事)にするのには、色々ハードルがあります。

小澤氏: そうなんですよね。例えば、ユーザー目線ですと、ガス代と呼ばれるものがあるのですが、ブロックチェーン上にデータを書き込むにはいちいち手数料がかかるので、ガス代が大きな金額となってしまいユーザーへの負担も大きくなってしまいます。

黒田氏: ただ今後、少しづつオンチェーンの部分を増やしていく可能性も?

小澤氏: あります。ユーザーの反応と市場の状況を見ながら柔軟に対応していければとは思っています。

小澤氏とentershareとの出会い

―少し話は戻りますが、小澤さんとentershareの出会いについて教えてください。

小澤氏: え〜っと、あれは、前職の時ですね。サイバーエージェントにいた時にentershareさんとお付き合いがあり、仕事を一緒にしていくうちに、代表の西尾さんの人柄に惹かれていた部分はありました。

黒田氏: ゲームメディアの構築のお仕事ですかね?

小澤氏: そうです、そうです。当時は、こんな形でまたがっつり一緒に仕事をするとは考えてもいなかったですが、、、CryptoSpellsの開発を実際にお願いしないとと考えた時に、真っ先に出てきたのがentershareさんですし、entershare以外にお願いするなんて考えてもいなかったです。

開発メンバーの打ち上げ

―具体的にentershareの良さはどこにあるんでしょう!?

小澤氏: なんか改めて言うとなると恥ずかしいですね(笑)
でも良いところしかないと思っています。開発スピードや柔軟に対応してくれる点、フラットなコミュニケーションを取る事が出来るなど上げていくとキリがないほどです。

黒田氏: おお〜、ちょっと褒めすぎでは。。。(笑)

小澤氏: そうですか?(笑)
あとは、僕たちのようなスタートアップ思考と言いますか、7割くらいの形でローンチをして、その後徐々に良くしていくような進め方、思考もすごくマッチしているなと思っています。

―技術力についてはどうですか!?

小澤氏: 正直その辺りは、僕がエンジニアじゃないので分からないです。
ただ、要望に対してのコミット力は凄いものがあります。その中でも、時間がかかるものや、技術的に難しいもの等に関しては、きちんと僕みたいな非エンジニアでも分かるように丁寧に説明してくれます。
なので、建設的に話が出来ますし、僕にも納得感があり、円滑に開発を進める事ができると思っていますし、出来ています。

黒田氏: 正直、技術的に凄い高度な事が出来るかと言えば、現状だとそうではないように感じています。ただ、最新技術のキャッチアップでしたり、自己研鑽等はentershareの全員が常に行っていますし、分からない事があれば、自分のプロジェクトでなくとも、全員で向き合って解決したりしています。
コミット力に関しては、なんとかクライアントの皆様の役に立ちたい、ユーザーに少しでも良いサービスを提供したいという思いが、繋がっているのだと思います。

CryptoSpells勉強会

―CryptoGamesとして、エンジニア組織の内製化は考えなかったですか?

小澤氏: 勿論考えました。今も可能であれば内製化していきたいという気持ちはありますが、エンジニア不足を鑑みるとあまり現実的ではないですし、時間もかかる事ですので、とりあえずローンチを目指そうと思い、開発の外注に舵を切りました。
ただ、いま外注という言葉を使いましたが、実際に外注に踏み切る事が出来たのもentershareさんとの関係が発注と受注という関係性ではなく、共に良いものを世の中に送り出す開発パートナーして、考える事が出来たからかもしれませんね。

(写真左)フロントエンドを開発する山口夏生

炎上を乗り越えて、次なる挑戦へ

―CrptoSpellsって少し前に炎上していましたよね!?

小澤氏: やっぱり、その話も突っ込んできますか(笑)
炎上しました。詳細は、他のメディアでも色々出ているのでそちらで見てもらえればと思うのですが、メンタルは結構、まあ、きつかったですよね。(笑)

黒田氏: 私も結構、辛かったです(笑)今でこそこの件で笑えるようになりましたけど、我が子のように育てたサービスが批判されるのは非常に悲しかったですし、自分の未熟さを感じる部分も多々ありました。
そんな中でβ版のリリースまでこれたのは、小澤さんの強い意志のおかげだと思っています。

―CryptoSpellsを作る上で難しかったところはどこでしょう?

黒田氏: 結構大変でしたし、今も苦戦している部分は多々あります。
そもそもゲームを開発する事自体初めてでしたし(笑)
後は、通常だとリリースしてから徐々にユーザーが増えていくと思いますが、小澤さんの広報のお陰か、オープンと共に一気にユーザーが集まりますので、最初の開発段階からその点を考慮し設計しながら開発するなど、個人的に難しいと感じる点は多々ありました。普通のWebサービスに比べても1ユーザー当たりの負荷も大きいですし。

小澤氏: その辺りもentershareの凄さというか、じゅんやさん(黒田氏)の凄さだなと感じています。なんというか、ベンチャーマインドというか、普通だとやった事ない事には挑戦しないと思うんですよ、特に受託会社だと。
新しい事に当たり前のように挑戦し続ける、そして結果を出し続けるというところも信頼を置けるポイントではなりますね。

―炎上から復活したCryptoSpellsの今後の展望

小澤氏: どんなゲームにも批判は付き物ですし、今後もサービスの特性上、炎上する可能性は低くないと思っています。
ただ、そういった批判や賞賛に一喜一憂することなく、客観的に俯瞰的にサービスやユーザーの動向を捉えながら、サービスを運営してくつもりです。
直近だと、ユーザー同士のカードの売買だったり、ギルドの部分に力を入れる事でコミュニティーの強化を強固なものにしていきたいと、思っています。

黒田氏: いつもお世話になっている『My Crypto Heroes(以下、マイクリ)』を越えたいと思っています。マイクリさんも素晴らしいゲームですが、私たちも最高のサービスを作っているつもりですし、その上で、マイクリさんと一緒に業界を盛り上げていければとは思っています。

小澤氏: いや、絶対越えますよ。絶対!
なかなか今のWeb業界で世界一を取れるチャンスはないと思っています。レッドオーシャンならぬ、ブラックオーシャンですし、特にゲーム業界なんて数百億円かけて、0.2%の成功率みたいな業界なので。。。
その中で、世界一に挑戦できるフィールドがあり、僕たちはそこに足を踏み込んでいる事は、非常に幸せな事であり、素晴らしいチャンスにめぐり会えたんだと感じています。
引き続きentershareさんと共に、世界を取れるチャンスに挑戦していければと思っています。

業界の先頭を走る小澤氏と、それを技術的に支える黒田氏。
開発の裏側から、小澤氏の半生までを振り返る事ができました。

引き続きCryptoSpellsの応援宜しくお願いします!

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